【日本代表】vsスペイン代表の注意点&突破口は?ノーミルク佐藤の見解

スペイン戦の注意点&突破口
【引用:Al Jazeera公式Twitter & Off The Ball編集部】

日本代表はカタールW杯のグループリーグ最終節でスペイン代表と対戦する。圧倒的な攻撃力とポゼッションを誇る優勝候補の一角との大一番を迎えるが、サッカー専門YouTubeチャンネルでMCを務め、データ企業を経営する戦術分析家のノーミルク佐藤氏は、スペイン戦の注意点と突破口について解説している。

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スペイン代表の注意点は「サイドチェンジ」

スペインは4-3-3システムを基本としており、伝統的な“ティキ・タカ”と呼ばれるパスサッカーを真骨頂としているが、今大会のチームはサイドチェンジも大きな軸となっているという。

ノーミルク佐藤

スペインは両サイドでトライアングルを形成して剥がしてくるチームで、“ティキ・タカ”と呼ばれるショートパスを繰り出しながらリズムを作ってくる。あとは、これまでのスペインよりも目立っているのが、ロングサイドチェンジ。ショートパスで揺さぶれない対戦相手には、非常に効果的なサイドチェンジで左右に揺さぶり、ロングパスとショートパスを駆使して時間をかけてボールを保持するのが今大会のスペインで、日本はそこをケアしなければならない。

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スペイン代表の守備戦術は「パスコースの限定」

守備面に関しては、ボールを失った瞬間のプレッシングで奪い返すドイツ代表に対して、スペインはパスコースを切りながら奪いどころを定めるスタイルを取り入れているようだ。

ノーミルク佐藤

ボールを奪われた場面に関しては、ドイツは対象者にすぐさまプレスをかける即時奪回のスタイルだが、スペインはパスコースを限定しながらボールを奪い返す戦法をとっている。1人の選手でボールを奪えなくても、360度の選択肢から、180度分を塞いだり、10個あるパスコースのうち、5個を遮断するなどして、その次のポイントでボールを奪い切るという守備に取り組んでくる。日本は、スペインにどんどん制限されて高い位置でボールを奪われるといった展開は避けなければならない。

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日本代表がやるべきは「SBのビルドアップへの誘導」

日本にとっては格上との厳しい戦いが予想される中、対策として有効なのは相手のサイドバック(SB)にボールを持たせる展開であると見解を述べている。

ノーミルク佐藤

日本がやるべきことは、もしくは、やるしかないことは、スペインにサイドでビルドアップさせること。ロドリにビルドアップさせてしまい、スペインの選手に前を向かせてしまうと、日本側も自陣に引きこもってゴール前でどうにかこうにか弾き出すしかなくなってくる。なので、先に CBにプレッシングを掛けていって、SBに逃げさせてしまえば、パスコースは少なくなる。サイドの攻防で数的同数、数的有利な状況を作ってボールを奪い切れるかに勝機が出てくる。

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“スペイン対策”は「ロンドン五輪の戦い方に似てくる」

日本は2012年に開催されたロンドン五輪のグループリーグ初戦でスペインを1-0で破る大金星を飾っているが、当時のプランを再現させる戦い方が望ましいとしている。

ノーミルク佐藤

ロンドン五輪の戦い方には似てくると思う。永井謙佑選手の役割を、そのまま前田大然選手が担うことになるだろうなと。スペインのサッカーとの相性そのものとして、最も効果を発揮する形を、日本はロンドン五輪で正解を出している。さらに森保ジャパンの特色と言えるのが、久保選手、堂安選手、三笘選手にしろ、サイドアタッカーに入る選手が、ボールを奪ったうえでボックス内まで侵入してラストパスを出せる選手が非常に多い。

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日本代表に増えた“ゲームメーカー型サイドアタッカー”

これまでの日本のサイドアタッカーは縦横無尽にハードワークするタイプか、スピードを武器に前方へと突破を図るタイプが多かった一方、近年では攻撃の起点となるゲームメーカーが増えてきたことで、戦術に幅を持たせることができるようになったと言及している。

ノーミルク佐藤

サイドでボランチのような働きをする起点となりながらフィニッシュワークに加わるタイプが、以前の日本代表にはいなかった。今大会は、そういった選手が複数人いるのが違いとなる。サイドでボールを奪い、前田選手が持ち前の動き出しで最終ラインをプッシュして、空いたスペースに鎌田選手が入り込んでシュートに持ち込む、といった形が最も効率的になるのかなと考えている。

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日本代表の対応策は「ドイツもスペインも同じ」

ドイツとスペインはコンセプトとしているスタイルは異なるものの、不動のストライカーを配置しない流動的なサッカーという観点では両チームとも通じるものがある。

ノーミルク佐藤

ポジショナルプレーの新解釈においては、ドイツとスペインでは少し違ってくるものの、絶対的なストライカーをあえて配置しないという点では類似点がある。結局、日本が対応しなければいけないポイントで言えば、ドイツもスペインも同じにはなるのかなと。ドイツ戦に負けてしまったら、スペイン戦も正直厳しいだろうけれど、もしドイツに勝つことができれば、スペイン戦も勝機はあるということになると思う。

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スペイン代表の注意点&突破口のまとめ

日本は初戦でドイツに2-1と逆転勝利を収める番狂せを果たしたものの、第2戦では“伏兵”コスタリカを相手に0-1と痛恨の敗戦を喫した。最終戦のスペイン戦では勝ち点の奪取が必要となるが、大会屈指の強豪を相手にどのような戦い方を見せるのだろうか。日本サッカー界の命運を分ける大一番から目が離せない。

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ノーミルク佐藤のプロフィール

株式会社Lifepicture代表取締役、YouTubeCH「ミルアカ」MC『ノーミルク佐藤』。

複数webメディアの運営や企業の経営改善、マーケティング、プロモーション、教育事業を行う傍ら、自社でサッカーのデータラボを立ち上げ、独自にデータの収集・分析・開発を行う。

ABEMA「ゼルつく」の専属データマンとしての出演、ABEMA「FIFAワールドカップ2022抽選会生中継〜最速予想&分析SP〜」などの出演、GOAL主催Jリーグ版NXGN2021選考委員等も務める。

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この記事を書いたライター

「Off The Ball」編集長。
大手サッカー専門メディアに過去6年配属。
在籍時は、高校サッカー・J1リーグを主に担当。
「DAZN」企画でドイツ・スペインへの長期出張で現地取材を経験。
人生の転機は、フェルナンド・トーレスの引退会見で直接交わした質疑応答。
趣味はサウナ。

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