関塚隆が最も衝撃を受けた選手は？日本代表も全員唖然「常識が通用しない」

関塚隆氏は2012年に開催されたロンドン五輪で、U-23日本代表を44年ぶりのベスト4進出に導いた。DFジョルディ・アルバ、MFコケ、MFイスコ、MFフアン・マタら擁するU-23スペイン代表や、FWモハメド・サラーを擁するU-23エジプト代表など、強豪国を撃破し掴み取った快挙だが、関塚隆氏は数多くのトッププレーヤーと対戦してきた中で、最も衝撃を受けた相手選手を挙げ、「スケールの大きさに笑うしかなかった」と振り返っている。

スペイン戦後に選手間で「ヤバい」と口を揃えたのがデ・ヘア

ロンドン五輪の初戦で対戦したのが、当時金メダル候補の一角だったU-23スペイン代表だった。U-23日本代表は優勝候補相手に1-0の大金星を飾ったが、その場にいた全員が度肝を抜かれた相手選手がいた。それが守護神のGKダビド・デ・ヘアだ。

デ・ヘアのスケールの大きさに「正直笑うしかなかった」

U-23日本代表は前半で先制点を決めたことで、勢いに乗って次々と決定機を演出する猛攻を仕掛けたが、ことごとくデ・ヘアのスーパーセーブに阻まれた。これには日本の選手たちも全員が唖然とさせられていたという。

デ・ヘアに受けたカルチャーショック「これまでの常識が通用しない」

当時のデ・ヘアはすでに世界的名門マンチェスター・ユナイテッドの正GKを務めていたが、その超人的なパフォーマンスに、関塚隆氏や選手たちは、これまで培ってきた経験則や常識を打ち破られるようなレベルの差を体感したと振り返っている。

日本サッカーに抱く危機感「デ・ヘア級の才能が他競技に…」

日本は世界の中でも人口が多い国だが、サッカーに関しては強豪国の中に食い込むことができずにいる。その要因の1つとして、関塚隆氏は、日本という国が多種多様なスポーツに取り組む文化が根付いているとしたうえで、デ・ヘアのような素質を備えた選手が、サッカー以外のスポーツを選んでいる可能性に触れている。

海外サッカーの文化は「大谷翔平のような逸材がまずサッカー」

サッカー王国ブラジルでは、国民のほぼ全員が少年時代に必ずプロサッカー選手になる夢を抱き、イギリスやスペインでも、小学校で「体育」とは別に「サッカー」という授業が設けられている。このように、世界ではサッカーという競技がプライオリティ・ワンに置かれるのが、もはや文化となっている。日本がそういった国々のレベルに追いつくのは並大抵のハードルではない。

関塚隆が最も衝撃を受けた選手のまとめ

ロンドン五輪から10年の月日が経ち、デ・ヘアはいまだユナイテッドの正守護神に君臨しているものの、カタールW杯では召集メンバーから外される見込みとなっている。ユナイテッドでレギュラーの座を確立していても尚、W杯メンバーから落選してしまうあたりに、スペイン代表GKのレベルの高さが窺える。グループリーグで対戦する日本代表にとって、得点を奪うのは一筋縄ではいかない。

また、関塚隆氏は、デ・ヘアに匹敵するほどのGKの才能の持ち主が、日本では他競技に流れている可能性を懸念しており、サッカーが文化として根付いている世界の強豪国に立ち向かっていくうえで、より多くの日本人にサッカーを選んでもらえる魅力を伝えていく重要性を説いていた。