城福浩のプロフィール
U-17日本代表 監督…AFC U-17選手権優勝
FC東京 監督…ナビスコ杯優勝
ヴァンフォーレ甲府 監督…J2優勝
サンフレッチェ広島 監督…J1リーグ2位
東京ヴェルディ 監督…2022年〜現在
カタールW杯開催に際し、「Off The Ball」では各優勝国候補の特長と懸念点を、東京ヴェルディで指揮官を務める城福浩氏が独自の視点で解説する特集を組む。今回は、ベルギー代表にスポットライトを当てる。
対戦カード | スコア | 得点者 |
vs カナダ代表 | 1-0 | バチュアイ |
vs モロッコ代表 | 0-2 | |
vs クロアチア代表 | 0-0 |
※当記事のインタビューは2022年11月17日に実施したものです。
今大会はイングランドやオランダ、フランスのように、3バックシステムを採用している優勝国候補が多い。戦術的な狙いは三者三様だが、ベルギーが取り入れる3バックシステムもまた明確な狙いと規律がある。
ベルギーも3バックシステムを採用しているチームだが、左ウイングバック(WB)にカラスコやトルガン・アザールのような本職をウインガーとする選手、右WBにムニエやカスターニュといった主戦場をサイドバック(SB)としている選手を配置し、左サイドから攻め込む際に、右WBがSBの位置にスライドして可変的に4バックシステムのような形を取ることも多い。かなり流動的なポジショニングをするので、コンテの3バックよりは、トゥヘルの3バックに近いかもしれない。
ベルギーはFIFAランキング2位を維持している一方、4年前のロシア大会、もっと言えば8年前のブラジル大会から、ほとんど主力メンバーが変わることなく、攻守ともに世代交代や新陳代謝が施されないままカタール大会を迎えている。それもあり、全体的にピークアウトしている様相は否めない。
デ・ブライネは相変わらず世界最高の選手の1人として今大会を迎える一方、アザールやメルテンスに関してはピークを過ぎている段階にあり、4年前のロシア大会ほどの活躍を見込むのは難しそうだ。ストライカーのルカクも負傷が長引いており、クラブで復帰しないまま今大会に臨む形となってしまった。また、3バック陣のいずれも現在はビッグクラブでプレーしておらず、フェルトンゲンにしろアンデルヴァイレルトにしろ、30代半ばという年齢でいまだ主力として固定されている。ここの世代交代がうまくいかなかった印象はある。
そんな中で、城福浩氏はブライトンFWトロサールに注目している。今季はまさに大ブレイクのシーズンとなっており、リバプール戦でのハットトリックに加え、マンチェスター・シティ戦とチェルシー戦でもそれぞれゴールを奪っており、強烈なインパクトを残している。
ベルギーにとって最大の好材料は、なんといってもトロサールだろう。おそらく今大会で最も好調を維持している選手の1人だ。プレミアリーグではビッグ6相手にも得点を量産しており、両足のキックは威力もコントロールも素晴らしい。推進力やアジリティもリーグ屈指で、まさに飛ぶ鳥を落とす勢いと言える。ビッグクラブの争奪戦で、今後の移籍市場の主役の一角を担うのは間違いない。先発はアザールでも試合途中からトロサールが出てくれば、一気に違いを生み出せるはずだ。
ベルギーの中心選手はこの8年間変わらずデ・ブライネであるため、対戦相手も当然“デ・ブライネ封じ”に経験値もデータも蓄積している。そのため、状況を打開するうえで、彼以外の攻撃の起点がどうしても必要となってくるが、城福浩氏はレスターMFティーレマンスに太鼓判を押している。
おそらく対戦相手はデ・ブライネのところを徹底的に潰してくることが予想される。デ・ブライネのチャンスメイクが減る可能性も想定されるが、パスセンスで言えば、ティーレマンスも劣らないと考えている。わずかなスペースを攻略する縦パスに、トロサールが抜け出してゴール、のようなホットラインも期待できるのではないか。全体的に世代交代が滞っている印象はあるが、今大会を機に、代表でも彼らの時代が到来する可能性は大いにありそうだ。
ベルギー代表はカタールW杯において優勝候補の一角と評価されている中、城福浩氏は特長と懸念点をそれぞれ独自の視点で、下記のような形で解説した。
U-17日本代表 監督…AFC U-17選手権優勝
FC東京 監督…ナビスコ杯優勝
ヴァンフォーレ甲府 監督…J2優勝
サンフレッチェ広島 監督…J1リーグ2位
東京ヴェルディ 監督…2022年〜現在