次世代の日本代表レフトバックとして、近年評価を高めている日本代表DF中山雄太。“世界で最もレベルの高い2部”として知られているイングランドのチャンピオンシップで攻守において目を見張る活躍を披露している。4年後のW杯では日本代表の主力として期待されている中山雄太のプレースタイルや特徴について紹介する。
生年月日 | 1997年2月16日 |
国籍 | 日本 |
所属クラブ | ハダースフィールド・タウンFC |
ポジション | DF |
身長 | 183cm |
利き足 | 左足 |
経歴 | 柏レイソル→PECズウォレ→ハダースフィールド・タウンFC |
中山雄太はCBやLB、さらにはボランチと複数のポジションをこなすことができる。元々中山はユース世代ではボランチ兼CBの選手として名を挙げており、サイドバックは新たにチャレンジするポジションであった。
このボランチが出来るという事はチームにとって選択肢が増えるということだけではなく、「守備からの組み立て」や「攻撃参加」がスムーズに行えるというメリットももたらす。最終ラインに攻撃タスクを求める風潮は年々ブームのように広がっているが、中山は必要な能力を既にデビュー時から持ち合わせている。実際クラブでは自ボールの時にはウィングバックからボランチへ移動してボールをさばく役割を移籍して間もなく任されるようになっている。
また中山は攻撃において「左足の精度」という武器でも貢献する。高精度パスはもちろん、相手ゴールを直接脅かすシュートやフリーキックも蹴ることが出来る。
もちろん攻撃だけでなく、ディフェンダーとしての役目も十分に遂行することができる。特筆すべきはその対人戦の強さ。攻撃能力に注目を浴びることが多い中山だが、本来の任務も高いレベルでこなすことができる。
柏レイソル時代、ヴィッセル神戸戦で決めたゴールを紹介する。
味方の落としを得意の左足でダイレクトシュート。このシュートはゴール左上に吸い込まれた。この試合は2017年のものだが、中山が20歳の時には既にその左足を大きな武器としていたことが分かる。
茨城県で生まれた中山は、小学一年生の時に兄がいた少年団に加入しサッカーを始める。そして中学時代に選抜された茨城県トレセンが練習試合で柏レイソルU15と対戦した際にスカウトされ、柏レイソルに入団する。高校2年生でトップチームに2種登録され、そして3年時に主将として掴んだユースプレミアリーグのクラブ初優勝を引っ提げ、意気揚々とプロの世界へ乗り込んだ。
ルーキーイヤーの2015年、ACLで初出場を飾ると6月にはJ1リーグで初出場。当時J3にあったU23選抜チームに出場しながらカップ戦で出場を重ねた。2016年に監督が下部組織でも指導を受けた下平監督へ変わると19歳ながら先発に抜擢。後半戦には20歳の中谷と不動のCBコンビを結成した。2017年ではU20W杯期間と出場停止を除くすべての試合に出場し、ヤングプレーヤー賞を獲得した。
2019年1月にオランダのFCズウォレに移籍。3月末に初出場。3年目にはCBとして定着した。2022-23シーズンにはイングランド2部のハダースフィールドへ移籍。レギュラーへ定着している。
代表でも年代別から選ばれ続け、主将として牽引するようになる。同世代の冨安と強固な守備を築き上げてU19アジアカップ優勝、U20W杯ベスト16の実績を残した。2019年6月にはコパ・アメリカでA代表初出場。東京五輪代表に選ばれた後、カタールW杯予選に8試合出場。W杯出場決定に守りから貢献した。
カタールW杯のメンバーに選出されるも、発表の翌日に行われた試合でアキレス腱を負傷し、手術が必要となったため、W杯を欠場することが決定した。
森保監督が率いる日本代表では左サイドバックでプレーする中山だが、ポジション争いの大きなライバルには「長友佑都」という偉大な先輩がいる。しかしそんなレジェンドにも臆することはなく、長友を「突き放していかないといけない存在」と語っている。既に長友と中山は互いにリスペクトして意見をぶつけ合える間柄であり、長友の後継者としてはすでに十二分の貫禄を放っている。
守備だけでなく、攻撃の組み立てにおいても重要なキーパーソンとなれる中山雄太。“世界で最もレベルの高い2部”として知られているイングランドで際立ったパフォーマンスを披露しており、今後のキャリアにも大きな期待が寄せられている。カタールW杯では残念ながら負傷により欠場を余儀なくされたが、4年後のW杯では日本代表を牽引する左サイドバックとして輝きを放つことだろう。