マンチェスター・シティは2021-22シーズン、リバプールとの熾烈な優勝争いの末、プレミアリーグ連覇を達成した。悲願のUEFAチャンピオンズリーグは今季も逃す格好となったが、次世代の世界最高選手の筆頭であるノルウェー代表FWアーリング・ブラウト・ハーランドの獲得に成功。念願だったエースストライカーを手中に収め、来季こそ欧州制覇に向けた完璧な布陣を完成させつつあるが、シティは今後移籍市場でどのような立ち回りを見せるべきなのだろうか?現時点での実現度をあえて鑑みず、「Off The Ball」編集部内で独自の見解を談論した。
必要なのは、今季限りで退団したフェルナンジーニョの後釜の確保でしょうね。理想はウェストハムのイングランド代表MFデクラン・ライスなんですけど、ハーランドを獲得したし、巨額は使いたくないはず。さらに、今はロドリが絶対的な主力なので、100億円を払ってまで二番手を確保する必要性がないと。ですので、ウルブスのポルトガル代表MFルベン・ネヴェスがいいのではないかと思っています。優秀なアンカーですし、50億円ほどで獲得できるはずなので。
フェルナンジーニョの後任は確保に動くだろうね。最も適任なのは、リーズ・ユナイテッドのイングランド代表MFカルヴィン・フィリップスだと思っている。リーズがプレミアリーグ残留を決めたので、獲得はイージーではなくなったが、ペップ・グアルディオラは明確な二番手を固めるのを嫌うタイプの監督。デ・ブライネは別格の存在としても、前線の選手ではコンディションによって先発の座を頻繁に入れ替えており、そうやって各選手のモチベーションを保つのが彼のマネジメント。そういう意味では、安泰の地位を築いているロドリの先発を脅かすような選手を求めているのではないだろうか。
※マンチェスター・シティは2022年7月4日にカルヴィン・フィリップスの獲得を正式発表。
ライスがどのクラブに移籍するのか、もしくはウェストハムに留まるのか。その決断によって、アンカーポジションの全選手の動向にも大きく影響するでしょうね。ユナイテッドもアンカータイプの選手の獲得に動くでしょうから、それがライスになるのか、ルベン・ネヴェスになるのか。ライスがCL出場を望むなら、玉突きの方向もまた変わるでしょうから。鍵を握るのは、間違いなくライスです。
前線は、まず9番ポジションにハーランドを獲得したわけだけど、スターリング、マフレズ、ジェズス、ベルナルド・シウバあたりに移籍の話が持ち上がっているよね。全員放出することはまずありえないと思うが、もしかしたら2人は移籍する可能性があると考えるべきだろうね。
シティに行けば面白そうだなと思うのは、リーズのブラジル代表FWハフィーニャとウルブスのポルトガル代表FWペドロ・ネトですね。今のシティにいないタイプのウインガーなので。ただ、もし先にスターリングかマフレズが移籍を決断するのであれば、ジェズスは留まる方が賢明だと思います。最前線はハーランドがいるので難しいでしょうが、ジェズスが完全な右ウインガーとしてプレーする決断をすれば、先発の定着も見込めます。
個人的には、アタッカーの放出が1,2人で留まるのであれば、前線はこれ以上の大型補強をする必要はないと思っている。なぜなら、シティは昨年にブラジルのフルミネンセからU-23ブラジル代表FWカイキを獲得しているから。まだ19歳なので、この補強は未来への投資の意味合いが大きいが、彼は“ネクスト・ネイマール”と評されるほどの実力の持ち主。今年に入ってから初めてチームに合流したばかりだが、左利きで右サイドからの切れ味鋭いカットインを武器にしており、来季にブレイクする可能性を秘めている。ジェズスもブラジルのパルメイラスに加入してから即座に結果を残した。なので、個人的にカイキは“ネクスト・ジェズス”と期待している。ハーランドは現時点で世界屈指の評価を受けている点を踏まえると、ある意味でハーランド以上の期待値と言える。
マフレズとスターリングのどちらかが放出となっても、今のシティの前線の選手層であれば大きな戦力ダウンにはならないでしょうね。ただ、ベルナルド・シウバが移籍するとなると、昨季のパフォーマンスを考えると、相当手痛いと思います。守備面に関しては、噂されているブライトンのDFマルク・ククレジャの獲得に成功すれば充分でしょう。彼はMFの役割も担えるので、シティの色に合うはずです。
2021-22シーズンのシティは、プレミアリーグ連覇を果たしたものの、CL優勝はまたもお預けとなった。来季こそ悲願を達成するため、超新星ハーランドの獲得に踏み切ったが、次なる補強候補として、
上記のメンバーの名前が挙げられた。放出される選手によって補強ポジションも変わってくるが、来季のシティは今季以上に死角のないチームとなりそうだ。