リバプールは2021-22シーズン、無類の強さで全てのカップ戦の決勝に進出し、プレミアリーグの優勝争いを含め、前人未到の4冠を達成する千載一遇のチャンスを迎えていた。リーグ杯、FA杯では優勝を達成したものの、プレミアリーグでは2位、UEFAチャンピオンズリーグでは準優勝と、優先順位の高い2つのコンペティションを落とす課題も残った。また、エースのセネガル代表FWサディオ・マネの退団が決定的となっており、長年にわたり築いてきたアタッカー陣の組み合わせにもひと区切りが打たれることになる。リバプールは来季を見据え、移籍市場で今後どのような立ち回りを見せるべきなのだろうか?現時点での実現度をあえて鑑みず、「Off The Ball」編集部内で独自の見解を談論した。
マネを放出しても、ディオゴ・ジョタがいます。なので、大金を使うことはないんじゃないかなと予想しています。若手投資に関しても、ファビオ・カルバーリョで達成している状況。リバプールはパニック・バイに走る印象はないので、現状のスカッドで来シーズンを迎えるのではないでしょうか。
自分は少し違う考え方かな。マンチェスター・シティが超新星ハーランドを獲得したのに対し、リバプールはマネを放出したまま穴埋めせずに新シーズン、というのはあまりにリスクがあるのではないだろうか。プレミアリーグを優勝するには、マネの正当な後任を確保するのが必要不可欠だと思っている。そういう意味では、ベンフィカのダルウィン・ヌニェスは手中に収めるべき。まだ22歳だし、総額100億円くらいしてしまうだろうけど、マネを50億ほどで売却できれば、実質50億円で獲得できることになる。
※リバプールは2022年6月にベンフィカからウルグアイ代表FWダルウィン・ヌニェスを約141億円で獲得
サラーは少なからず今季残ることになるでしょうから、サラー、ルイス・ディアス、ジョタ、フィルミーノで基本的には回し、あとはエリオット、ファビオ・カルバーリョら若手選手を戦力として育てることに注力するシーズンになる気がしています。
気がかりだったのは、今季の終盤戦、ラスト10試合ほどに関して、ジョタのパフォーマンスが目に見えて下落していたこと。特に、ボックス内でのシュートが明らかに減っていた。リバプールは合計63試合も消化しているから、当然コンディションの問題ではあると思うが、冬に加入したルイス・ディアスに主力の座を奪われたことで、モチベーションが低下していた可能性もあるかもしれない。マネが去ってレギュラーに返り咲くことで、ジョタも復調するかもしれないが…リーグ優勝を目指す上で、それに賭けるのは冒険が過ぎる気もする。
ファビオ・カルバーリョは今年で20歳とまだ若いですが、実際は即戦力として期待できると思っています。ウイングとしてプレーさせて、ジョタをセンターに専念させる可能性もありそうです。
クロップがどう育てたいか次第ではあるけれど、ファビオ・カルバーリョに関しては、インサイドハーフとして考えているんじゃないかな。リバプールは、得点力のあるインサイドハーフが不在であることが課題でもあったし、彼なら解決策になり得る。また、もし仮にマネが残留していたとしても、課題がなかったわけではない。今季のリバプールは例年通り強烈な攻撃力・破壊力を誇示した一方、優勝したリーグ杯とFA杯の決勝、そして敗れたCLの決勝で、いずれもスコアレスに終わっている。3度は決して偶然ではない。本当の大一番で、試合を決する得点を奪えるアタッカーがいなかったという事実は、リバプールに変革の時期が訪れていることの裏付けなのではないだろうか。
来季はサラーがフリートランスファーで移籍する可能性もありますよね。フィルミーノも来季以降に契約満了で去る可能性が高いことを考えると、クロップ政権を支えたフロント3の完全解体はもうすぐそこまで来ているかもしれないですね。
フィルミーノの後釜は、ジョタで申し分ないだろうね。サラーに関しては、来季以降も止まるのかどうか不透明ではあるけれど、もし来夏で去る場合は、冬の移籍市場でぜひともリーズ・ユナイテッドのハフィーニャの獲得に乗り出してほしい。スピードを駆使したドリブル突破が武器で、左利き。カットインからのシュートも得意としているので、サラーの後任としては打ってつけの存在だと思っている。ただ、ハフィーニャを狙っているビッグクラブは多いし、今夏で移籍してしまう可能性は高そうだけどね。
今夏の移籍市場で言えば、スーパーサブの起用として考えるのであれば、現在フリーのルイス・スアレスと1年間だけ契約するのはありかもしれないですよ。35歳なので、プレミアリーグの強度で90分間は走れないと思いますが、得点力は健在なので、残り15分からの出場であれば期待できます。
クロップ監督はベテラン選手を短期契約で獲得する印象があまりないから、どうだろうね。確かにTate Masaの言う通り、リバプールは急転直下の大型補強に出るようなクラブではない。でも、クロップ監督は今後数年間のチーム作りを踏まえて、マネの後任を据えたいのであれば、100億円払ってもダルウィン・ヌニェスを獲得すべきだと、個人的には考えている。
2021-22シーズンのリバプールは、前人未到の4冠を狙える立場まで勝ち上がる強さを示した一方、プレミアリーグ、CLはあと一歩のところで取りこぼすことに。エースを務めるマネの退団が決定的となっている中、編集部内では後釜を確保すべきか否かの意見が分かれた。そんな中、獲得に乗り出すべき選手としては、
上記のメンバーの名前が挙げられた。来季こそプレミアリーグ、CLのいずれかを手中に収めたいリバプールは、どのような補強に打って出るのだろうか。