ベルギー代表のFWレアンドロ・トロサールは、ブライトンでは大ブレイクを果たすと、強豪アーセナルに活躍の場を移した。プレミアリーグでも際立った得点力を発揮するトロサールについて、本記事で紹介していく。
トロサールの基本プロフィール
生年月日 | 1994年12月4日 |
国籍 | ベルギー |
所属クラブ | アーセナル |
ポジション | FW |
身長 | 172cm |
利き足 | 右足 |
経歴 | ヘンク→ロンメル・ユナイテッド (loan)→ウェステルロー (loan)→ロンメル・ユナイテッド (loan)→ルーヴェン (loan)→ブライトン→アーセナル |
トロサールのプレースタイル
トロサールは主に左ウイングで起用されるが、FWの後ろに陣取って中盤との連携役を担うこともある。
元々はシャドーの選手であったことから一人で守備を翻弄できる能力を持っており、左サイドを中心にピッチ全体でブライトンの攻撃を「ドリブル」で前進させたり、場況によっては「ボールキープ」によって味方が上がる時間を生み出すことができる。相対する守備陣はボールを持ったトロサールにスペースや時間を与えれば与えるほどピンチに陥ってしまうことだろう。また打開だけでなく、キーパスが1試合平均1.4本とパスでも相手守備を混乱させる事ができる。更にファイナルサードで得点する能力も持ち合わせており、両足とも強烈なシュートを打ち込むことも武器だ。一方、フィジカルで削られることの多いプレミアリーグでファウルを受ける回数はそこまで多くはなく、前線でFKを獲得出来るようになればより脅威となれることであろう。
このように攻撃能力へ注目がいくトロサールであるが、守備も決してサボる事はなく、攻守において献身性を示すため、チーム作りにおいて非常に計算しやすい選手と言える。
トロサールのスーパープレー
ブライトン時代にトロサールが記録したゴール&アシスト集がこちら。守備が密集していても失わないボールキープや、ピッチを広く有効的に使えるトロサールの能力がブライトンの攻撃の核となっていた。
トロサールのキャリア
トロサールは2011-12シーズンの最終戦でデビューしたが、そこから4シーズンはローン移籍を繰り返して武者修行していた。2016-17シーズンにようやくレンタル元のヘンクで先発に定着した。その後は怪我も経験したが、シーズン後半から主将になった2018-19シーズンには2桁得点をあげるなどチームを8年ぶりのリーグ優勝に導いた。
この活躍から各国のクラブが注目。6月26日にブライトンへの移籍が発表された。第2節のウェストハム戦で初出場すると、序盤にはVARによる得点取り消しを受けたが、65分に同点ゴールをあげてプレミア初得点をマークした。
一方、トロサールの代表キャリアは年代別代表からスタートし、2018年にはA代表にも招集されたが負傷により辞退した。結局彼がベルギー代表としてデビューしたのは2020年9月のネーションズリーグだったが、そこからはコンスタントに出場を重ね、2021年3月にはW杯予選で初得点を記録した。その後EUROの代表にも選出された。
2022-23シーズンは序盤から得点力を発揮し、カタールW杯にも参戦した。しかし、リーグ再開後は、日本代表MF三笘薫に左ウイングのポジションを奪われたことに不満を抱き、指揮官と確執が生じることに。それをきっかけに冬での退団を希望し、2023年1月に急転直下でアーセナル移籍が決定した。
トロサールのエピソード
前述の通り、左ウイングを主戦場とするトロサールにとって、三笘の台頭はブライトンを退団するきっかけとなった。
三笘が左ウイングに配置され、中央でプレーする時間が増加してきたことに、トロサールは不満を抱え始める。左サイドを確実に突破する三笘から逆算されたチーム構成で、トロサールはスペース作りの動き出しや黒子を担う立場に追いやられ始めていたことが、プライドに障ったのかもしれない。
1月14日のリバプール戦に向けた記者会見でデゼルビ監督は、トロサールが起用法への不満から練習を無断欠席したことで登録メンバーから抹消した経緯を話していた。一方、トロサールの代理人は、指揮官の不当な扱いで関係に亀裂が生じたと説明。そのままチームを退団することになり、両者にとってやや後味の悪い結末にはなってしまった。
トロサールのまとめ
2022-23シーズンのトロサールはブライトンで7ゴール3アシストの結果を残し、強豪アーセナルへの移籍を決断。三笘とのポジション争いに敗れる形でチームを後にしたものの、得点に直結するプレーに関してはプレミアリーグ屈指と言ってもいい。アーセナル移籍をきっかけに正真正銘のワールドクラスへと躍進を遂げるのか注目だ。