ケフレン・テュラムは、フランス代表のレジェンドであるリリアン・テュラムを父に持ち、兄はカタールW杯のメンバーに選出されたマルクス・テュラムと、サッカー家系の“サラブレッド”として知られており、自身も高いポテンシャルを備えたボックス・トゥ・ボックス型のフットボーラーだ。当記事では、ケフレン・テュラムのプレースタイルや人物像を紹介する。
ケフレン・テュラムのプロフィール
生年月日 | 2001年3月26日 |
国籍 | フランス |
所属クラブ | OGCニース |
ポジション | MF |
身長 | 192cm |
利き足 | 右足 |
経歴 | ASモナコ→OGCニース |
ケフレン・テュラムのプレースタイル
ケフレン・テュラムのプレースタイルは、攻守において屈強なフィジカルを活かしたボックス・トゥ・ボックス型だ。ポジションは、インサイドハーフを主戦場としている。強烈なチャージを物ともしないフィジカルに加え、足元の技術も繊細で、ボールを保持する際の置きどころが巧みだ。相手選手の届かない絶妙な距離感を維持しながら、すり抜けるようなドリブルを得意とし、自陣から敵陣ペナルティーエリア内まで独走で持ち運ぶことのできる推進力を備えている。
突破力はすでにワールドクラスに迫っている一方、スルーパスやクロスも近年で飛躍的な成長を見せており、チームの決定機を演出するゲームチェンジャーとして存在感を放っている。守備においても、リーチの長さを活かしたタックルで対戦相手の攻撃の芽を潰すフィルターの役割も担うことができる。インターセプトの読みも鋭く、パスカット、もしくは相手選手の足元に入った瞬間に潰すといった判断力も優れている。
改善点としては、フィニッシュ精度の面で言えば、現段階ではトップクラスの領域には到達していないと言える。ドリブルでアタッキングサードまで侵入した際、ミドルシュートを相手守備陣にチラつかせることができれば、スルーパスの選択肢もより活きてくることになり、セントラルハーフとして完成された選手となることができるだろう。
ケフレン・テュラムのスーパープレー
ケフレン・テュラムのスキルをまとめたプレー動画。相手守備陣がブロックを形成した狭いエリアでも、鋭いボールタッチで難なく打開する突破力が見て取れる。
ケフレン・テュラムのキャリア
5歳の頃に、当時父であるリリアン・テュラムが在籍していたバルセロナのユースチームでサッカーを始めた。2年後にリリアン・テュラムが現役を引退し、母国フランスへの帰国に伴い、ケフレン・テュラムもアマチュアクラブであるオリンピック・ヌイイに移籍。その後、ACブローニュ=ビヨンクールの在籍を経て、2016年に、父のリリアン・テュラムも現役時代にプレーしたASモナコのユースチームに加わった。17歳の若さでトップチームに初招集されたが、方針の不一致から、デビュー前にライバルクラブであるニースへの移籍を決断した。
ニースでプロデビューを果たすと、1年目にしてシーズン終盤で出場機会を勝ち取り始めると、翌年21-22シーズンにはレギュラーに定着。22-23シーズンにはリーグ戦35試合に出場し、2ゴール4アシストを記録。ビッグクラブから注目される存在となった。
ケフレン・テュラムのエピソード
前述にもある通り、父がリリアン・テュラム、兄がマルクス・テュラムとサッカー家系。13歳の時点で、身長が180cmを超えており、フィジカルと足元のスキルを活かしたプレーは少年期から確立されていたという。
プロデビュー当時はボランチでプレーしており、守備的なタスクを担うことが多かったが、当時ニースで指揮官を務めていたパトリック・ヴィエラは現役時代、強靭なフィジカルを備え、テクニカルでドリブル突破も得意としていたボックス・トゥ・ボックス型の選手であったことから、ケフレン・テュラムはヴィエラの影響を大きく受けていくようになったことが窺える。
ケフレン・テュラムのまとめ
サッカー界のレジェンドのDNAを引き継ぐケフレン・テュラムは、サッカー界のレジェンドである父リリアン・テュラムに負けずとも劣らないポテンシャルを示し始めている。屈強なフィジカル、攻守におけるボックス・トゥ・ボックス、リーチの長いタックル、相手守備陣を打開するドリブル突破など、数多くのストロングポイントを備えたケフレン・テュラムがワールドクラスの中盤選手と評価されるのも、そう遠い未来ではないだろう。