FW中村敬斗は、オーストリア第3の都市に本拠地を置くLASKリンツで、公式戦18試合出場11ゴール6アシスト(2022年12月時点)を記録し素晴らしい活躍を披露した。その活躍により、日本代表FW伊藤純也も所属しているフランス、リーグ・アンのスタッド・ランスへと移籍した。まさに”今欧州で注目を集める若きサムライ”とも呼べる中村がどんな選手であるのかを本記事で紹介していく。
中村敬斗のプロフィール
生年月日 | 2000年7月28日 |
国籍 | 日本 |
所属クラブ | スタッド・ランス |
ポジション | FW |
身長 | 180cm |
利き足 | 右足 |
経歴 | ガンバ大阪→FCトゥウェンテ(loan)→シント=トロイデンVV(loan)→FCジュニアーズ(loan)→LASKリンツ→スタッド・ランス |
中村敬斗のプレースタイル
中村は前線のいろんなポジションでのプレーが可能だが、ゴールとアシストを量産している今季の好調な仕上がりを見る限り、主戦場は左ウイングで固まっていきそうだ。
そんな彼のプレーにおける見どころの1つはシュートの技術が非常に高いことだ。もし相手のプレスがゆるければ、ペナルティーエリア外からでも枠内にシュートを放ちゴールを決めきることができる。また相手のディフェンスにあっても1枚はがしてカットインからシュートを放ちゴールを決めることもできる。シュート1つ1つを見ても非常に抑えが効いていて質の高さを感じる。さらに今季のゴールの多さの要因は状況に応じて逆足でシュートを放てていることも付け加えておきたい。
シュート以外の見どころとしては足元の技術が高いことが挙げられる。ドリブルは非常にテクニカルで相手を抜き去ることができ、そこからシュートを放ちゴールを決めたり、パスを出して味方をアシストすることもできる。またボールを受ける際もトラップして収めるのがうまく、スムーズに次のプレーに移ることが出来る。
その他にもオランダ時代にPSVアイントフォーヘンやアヤックスといった強豪相手にゴールを決めた経験があり、プレッシャーのかかる試合でも結果を出す勝負強さも兼ね備えている。
このように、FWとして必要ないろんな要素を兼ね備えており、今後もゴールやアシストを量産していくことを期待できるプレーヤーだ。
中村敬斗のスーパープレー
こちらは2019-20シーズンの第1節PSVアイントフォーヘン戦での得点。前半7分に左サイドでボールを受けると、そのままドリブルで運びペナルティーエリア付近から見事なゴラッソを決めた。
活躍が著しい2022-23シーズンからは第7節SVリート戦でのゴールを取り上げたい。前半終了間際ペナルティーエリア内で味方からのクロスを見事なトラップで足元に収めると逆足でシュートを放ち、シーズン4得点目を決めた。
中村敬斗のキャリア
中村は千葉県我孫子市で生まれた。小学生の時は地元クラブに所属しサッカーの練習に励んだ。そして自身の強みである個人技を磨くため中学からは三菱養和SCジュニアユースに所属し、高校に上がると同時に三菱養和SCユースに昇格する。しだいに能力の高さが注目されるようになり、高校2年生の12月に2018年からのガンバ大阪への加入が決まる。
ガンバ大阪では加入1年目から出場機会を得ることができ、2018年11月24日第33節V・ファーレン長崎戦でJリーグ初得点を記録した。
加入2年目も2019年7月3日に行われた天皇杯2回戦のカマタマーレ讃岐戦で自身初のハットトリックを達成するなど存在感を放つと2019年7月16日にFCトゥウェンテへの期限付き移籍が発表された。すると8月4日のPSVアイントフォーヘン戦でスタメンに名を連ね、さらにオランダでの初ゴールをこの試合で記録した。その後もリーグ戦で得点を積み重ねていくものの第17節のフィテッセ戦では前半で交代を命じられるとそれ以降出場機会が減っていき、わずか1年で退団することとなった。
2020年6月25日にシント=トロイデンVVへ期限付き移籍することが発表される。しかしなかなか存在をアピールすることができず、またケガも影響し公式戦5試合の出場にとどまった。
出場機会を得るために2021年2月9日にオーストリア2部FCジュニアーズへ期限付き移籍すると、序盤はやや苦戦したものの徐々にフィットしていった。そして同年8月11日にオーストリアの強豪LASKリンツへ完全移籍で加入することが決まった。
加入1年目から結果を残し、チームからの信頼をつかむと2年目は主力の座を確固たるものとしており、ゴールとアシストを量産している。
2023年8月10日にフランス、リーグ・アンのスタッド・ランスへと移籍し、日本代表FW伊藤純也のチームメイトとなった。
中村敬斗のエピソード
英メディア「Sports Brief」が発表した”今季欧州でもっともゴールに貢献した選手トップ10”においてメッシと並ぶ4位にランクインしていた。
また現在の350万ユーロという市場価値はLASKリンツの過去の移籍金最高額と同じ金額である。このままシーズン終了まで活躍し続けて移籍をする場合、クラブ史上最高額でのステップアップとなる可能性も十分あり得る。
これらの2つの事実からも今季の活躍がいかに凄まじいものかが実感して頂けるだろう。
中村敬斗のまとめ
左のウィングとしてテクニカルなドリブルや精度の高いシュートを武器にここまでオーストリアで多くのインパクトを残してきたFW中村敬斗。その活躍が認められて市場価値もどんどん上昇しており、今後の動向から目が離せない日本人選手の一人である。また、A代表にも招集されるようになっており、サムライブルーを身にまとい活躍する姿が非常に楽しみである。