W杯の大舞台で英雄C・ロナウドの代役として先発出場し、いきなりハットトリックを達成して一躍時の人となったポルトガル代表FWゴンサロ・ラモス。今回、C・ロナウドの後継者になりうる次世代のスター候補を紹介していく。
生年月日 | 2001年6月20日 |
国籍 | ポルトガル |
所属クラブ | パリ・サンジェルマン |
ポジション | FW |
身長 | 185cm |
利き足 | 右足 |
経歴 | SLベンフィカ→パリ・サンジェルマン(loan) |
ゴンサロ・ラモスはセンターフォワードか、もしくは1列後ろ、シャドーとしてプレーする。
彼が最も期待されている役割はフィニッシャーであり、味方のラストパスを自らの動きで作り出したDFラインの背後のスペースで受け取って、ネットを揺らすプレーが持ち味である。
以前は技術面や細かな駆け引き、ドリブルの能力に疑問符がつくことがあったが、年齢を重ねるにつれて徐々に改善している。両足ともに強烈なシュートを放つことができ、C・ロナウドの彷彿とさせるゴールも多い。
一方、彼の課題は空中戦の弱さであり、185cmという身長ながら空中戦勝率は50%程度とFWとしては見逃すことのできない弱点になっている。その点に関しては、圧倒的な空中戦の強さを誇るC・ロナウドを見習うべき部分となる。
それでも彼のゴールへの嗅覚は天性のものであり、ポルトガルリーグでトップクラスのストライカーになっている。上で挙げた課題も彼がまだ21歳の選手であることを考えると、荒削りの若手として、まだまだ進化する可能性を秘めているともいえるだろう。
カタールW杯決勝トーナメント1回戦スイス戦での3点目のシーン。
W杯でハットトリックという大記録がかかった場面でも、1対1をチップキックで流し込む冷静さを見せつけ、まさしくC・ロナウドのようなゴール感覚で先発抜擢の期待に応えてみせた。
ラモスは8歳でサッカーを始め、12歳で名門ベンフィカのユースに加入した。2020年7月21日にトップチームでデビューしてかつ初ゴールを決めると、2020-21シーズンこそトップチームでの出番は断続的であったものの、BチームでのプレーやポルトガルU19とU21代表での欧州選手権準優勝といった経験を糧に、20歳でトップチームへ昇格した。昇格後は徐々にチーム内での信頼を勝ち取っていき、2022-23シーズンではエースストライカーとして活躍していた。その能力を見ていたポルトガル代表のフェルナンド・サントス監督は、突如代表引退を発表したラファ・シウバに代わってネーションズリーグの代表選手にラモスを選出した。ここでの出場は無かったが、彼はワールドカップの代表に選ばれ、直前のナイジェリアとの親善試合では初得点をあげた。
そして迎えたW杯、ポルトガルが誇る大エース、C・ロナウドの控えという役割に徹していた彼は、決勝トーナメント1回戦のスイス戦で突然先発メンバーに抜擢される。クリロナがベンチから戦況をみつめたこの試合で、ラモスはなんとハットトリックという最大の活躍を記録。一躍世界が注目するニューヒーローとなった。
2023年8月7日にフランスのパリ・サンジェルマンへの買取りOP付きの1年間の期限付き移籍が発表された。
W杯でのハットトリックによって、ピッチ外での素行の話題が絶えないレジェンド、C・ロナウドの代役として世界にその名を知らしめたラモス。C・ロナウドとの確執の噂も流れる中、ラモスはインタビューで「彼(C・ロナウド)はいつも通り主将として、チームメンバーを励まし助けている」と代表キャプテンを擁護した。ラモスのゴールセレブレーションではC・ロナウドも一目散に駆けつけるなど、ポルトガル新旧エースFW間の確執は杞憂に過ぎないようだ。
W杯での衝撃から市場価格が跳ね上がり、大会終了後のビッククラブへの移籍話が絶えないゴンサロ・ラモス。両足ともに強烈なシュートを放つことができ、研ぎ澄まされたゴールへの嗅覚はまさしく“C・ロナウドの後継者”としてのオーラを解き放っている。まだまだ伸び代を残した期待のストライカーの活躍に注目していこう。