関塚隆のプロフィール
鹿島アントラーズ コーチ
清水エスパルス コーチ
川崎フロンターレ 監督…J2優勝
U-23日本代表 監督…ロンドン五輪ベスト4
ジュビロ磐田 監督
ジェフユナイテッド千葉・市原 監督
日本サッカー協会 技術委員長
日本代表MF鎌田大地が欧州に渡って5年目を迎えたが、いまやフランクフルトで欠かせない戦力にまで成長を遂げている。川崎フロンターレを筆頭に数多くのJリーグクラブを指揮し、ロンドン五輪では44年ぶりとなるベスト4進出を達成した関塚隆氏は、「海外組の日本人で最も注目している選手」に、鎌田の名前を挙げている。
鎌田は2017年にフランクフルトへ加入したものの、出場機会が3試合にとどまったことから翌年にベルギー1部シント=トロイデンに期限付き移籍。そこでシーズン二桁ゴールの結果を残し、フランクフルトへ復帰すると、武者修行の成果を見せつけるかのような目覚ましいパフォーマンスを発揮し、主力に定着した。
「WOWOW」で解説者も務めている関塚氏は、UEFAヨーロッパリーグで優勝を達成したフランクフルトもチェックをしていたとのことで、鎌田の活躍に舌を巻いていた。
成長が飛躍的だなと感じるのは、やはり鎌田大地選手。シャドーのポジションにおいては、日本人選手の中では一番なんじゃないかな。欧州の舞台で、あれだけのパフォーマンスを発揮できるというのは、素晴らしいこと。欧州大会でも主力として優勝の立役者になった。ドイツでも、鎌田選手はシャドーのプレイヤーとして明確に認められる存在になっている。
一方、鎌田は日本代表の招集に定着しているとは言えず、カタールW杯の選出もまだ当落線上の立場にある。フランクフルトではシャドーのポジションを主戦場に本領を発揮している一方、森保一監督は日本代表で4-3-3システムを固定している。インサイドハーフやウイングが鎌田にとって最適なポジションではない現状についても触れている。
今の日本代表においては、鎌田大地というタレントを活かす土俵にはなっていないと思う。今のシステムでずっとやってきているので、今更変えることはないだろう。だが、今世界で最も活躍している日本人選手を主力として起用しないというのにも、葛藤があるはず。システムから逆算するのか、選手から逆算するのか。そこが指導者として難しいところ。
鎌田のフランクフルトでの活躍を語るうえで、セルビア代表MFフィリップ・コスティッチの存在は避けて通れないだろう。左シャドーの鎌田、左ウイングバックのコスティッチは、フランクフルトで最大の武器とも言えるホットラインだった。
フランクフルトで鎌田選手が才能を開花させた要因の1つには、コスティッチの存在がある。鎌田選手とコスティッチは、まさに阿吽の呼吸で、チームの攻撃の起点となる名コンビだった。コスティッチがいるから鎌田選手が活きるし、鎌田選手がいるからコスティッチが活きる。そんな関係を築くことができていた。互いの得意分野、互いの苦手分野を理解し合っていたので、互いを輝かせ、互いにカバーし合っていた。
そんなコスティッチも、2022年夏にユベントスへと移籍。約3年間続いたコンビ関係も解消されることになった。それに伴い、フランクフルトは3-4-2-1システムから、4-2-3-1システムへと舵を切り始めている。左サイドに配置されている鎌田の役割も変わってきそうだ。
コスティッチが今年の夏にフランクフルトを去ったことは、鎌田選手にとっても分岐点となるだろう。「1+1=2」ではなく、4にも5にもなるようなホットラインだっただけに、これが別々となると、チームにおける鎌田の役割も異なってくるだろう。それはユベントスにおけるコスティッチにも言えること。コスティッチと鎌田選手でフランクフルトの攻撃のリズムを作る役割が大きかったが、相棒と別れを告げた新境地で、どのような役割を務めることになるのか注目していきたい。
欧州の舞台で5年目を迎えた鎌田。その成長具合に、関塚氏も惜しみない称賛を送っていた。中核を担っていたコスティッチがチームを去った今、フランクフルトは4-2-3-1システムへの変更を試みている段階にあるが、左サイドに配置されている鎌田は開幕1ヶ月にして公式戦5ゴール2アシストと、ゴール前での仕事が明確に増加している。新たな役割が徐々に可視化され始めている中、鎌田が迎える新章に注目だ。
鹿島アントラーズ コーチ
清水エスパルス コーチ
川崎フロンターレ 監督…J2優勝
U-23日本代表 監督…ロンドン五輪ベスト4
ジュビロ磐田 監督
ジェフユナイテッド千葉・市原 監督
日本サッカー協会 技術委員長