スペイン代表MFファビアン・ルイスは、長きにわたってセリエAの名門ナポリの中心選手として活躍した功績が認められ、PSGへの移籍を果たした。高身長ながらテクニカルなプレーや正確なパスを見せるファビアン・ルイスは若い頃から多くの注目を集めてきた才能溢れる選手である。そんなファビアン・ルイスのプレースタイルや歩んできたキャリアについて本記事で紹介していく。
ファビアン・ルイスの基本プロフィール
生年月日 | 1996年4月3日 |
国籍 | スペイン |
所属クラブ | パリ・サンジェルマンFC |
ポジション | MF |
身長 | 189cm |
利き足 | 左足 |
経歴 | ベティスB→ベティス→エルチェ(loan)→SSCナポリ→パリ・サンジェルマンFC |
ファビアン・ルイスのプレースタイル
ナポリ時代は主に2ボランチの一角を担い、189cmと高身長ながらスペイン人らしいテクニカルなドリブルと豊富な運動量を持ち合わせている。また、彼のプレーを語るうえでパスセンスの高さを忘れてはいけない。ボランチとして非常に視野が広く、その時々の状況に応じて正確なロングパス、スルーパス等を味方に供給し、ゲームの組み立てやチャンス演出に大きく貢献している。実際にナポリに移籍してからのパス成功率は毎年ほぼ90%を超えており、精度の高いパスを持ち味に多くのプレーに関わっていることが分かる。
さらに攻撃面においては、左足で強烈かつ精度の高いミドルを放つこともできる。そのため中盤ポジションでありながら直近4シーズンで22ゴール決めている。先述した通り高身長であるため、守備時にはその特徴をフルに生かし、ボールを奪取することができる。この際、手足が長いので正確にボールにチャレンジすることができるのでファールになりにくい。実際に様々な守備の指標が高いのに対して1試合あたりのファールの数はそこまで多くなく、ディフェンス面でのうまさも目立つ。
このように、攻守において非常に技術の高さが目立つので中盤で様々なポジションでプレーすることができる万能型のプレーヤーといえる。一方、スピードがあるプレーヤーではないのでテンポの速い相手と対戦した際に若干の遅れを取ってしまう可能性があることが予測される。
ファビアン・ルイスのスーパープレー
2021-22シーズンのセリエA第14節ラツィオ戦では85分に味方からパスをうけるとボックス外でゴールまで距離があるにも関わらず、左足を振り抜きゴール左隅へゴラッソを決める。全てにおいて正確な左足を持っているファビアン・ルイスだからこそできるプレーといえる。またこの試合の2点目3点目に関しても彼のパスが大きく関わっているのでその点も注目して見てほしい。
ファビアン・ルイスのキャリア
スペインのアンダルシア州セビリア県ロス・パラシオス・イ・ビジャフランカで生まれたファビアン・ルイスは地元のサッカークラブでサッカーを始め、8歳の時にレアル・ベティスの下部組織へ加入した。そこで順調に才能を伸ばしていき、2014年にベティスのBチームへ昇格し、同年にデビューを果たした。彼の勢いはBチームデビューだけにとどまらず、同年12月16日のCDルーゴ戦にてトップチームデビューも果たした。この年はBチームでは19試合、トップチームでは6試合に出場し、当時2部所属だったトップチームのラ・リーガ昇格に貢献した。
その後も2015年8月23日のビジャレアル戦でラ・リーガのデビューを果たすものの、スタメンを奪取することは出来ず出場機会が限られたままのシーズンが続いてしまう。そんな状況を打開するために2017年12月23日にベティスとの契約を延長すると同時にエルチェCFへの半年間のレンタル移籍が発表される。そのエルチェではプロ初ゴールを決め、さらに18試合に出場し自身の存在感を示した。半年間のレンタル移籍が終わり、2017-2018シーズンではベティスに復帰するとこの年からチームへやってきたキケ・セティエン監督の下レギュラーの座をつかみ取り、公式戦35試合に出場し3ゴール6アシストと結果を残し、チームをUEFAヨーロッパリーグの出場権獲得に貢献した。
翌年2018年7月5日、ナポリに5年契約で加入した。加入初年度から中盤のレギュラーとして活躍し、2021-2022シーズンまで通算公式戦166試合に出場し22ゴール15アシストと結果を残しており、チームの上位進出やタイトル獲得へ貢献している。スペイン代表においてもU-19、U-21の世代で出場経験があり、2019年6月7日のユーロ2020のフェロー諸島戦でA代表デビューを果たした。さらには同年11月のハンガリー戦で代表初ゴールも決めている。
2022年8月31日、PSGへの完全移籍が発表された。
ファビアン・ルイスのエピソード
ピッチ上では中盤で勇ましい姿を見せるファビアン・ルイスだが、プライベートでは”ベラ”という名前の大型犬を飼っている。このベラちゃんは彼がナポリに移籍してから飼い始めたようで、ここ数年のTwitterやInstagramでは休日にナポリの街を一緒に散歩する姿や部屋で遊んでいる様子などの写真をたくさんあげており、かなりの愛犬家であることが感じられる。またベラちゃんに関する投稿をする際にかなりの頻度で犬の絵文字を用いており、ファビアン・ルイスの意外な可愛らしい一面が見られる。
ファビアン・ルイスのまとめ
ボランチとしての豊富な運動量やチャンスを引き寄せる精度の高いパス、強烈な左足のミドル、それに手足の長さを活かした高いボール奪取能力を兼ね備え、攻守において大きく貢献することのできる中盤における万能型戦士ファビアン・ルイス。若い頃は出場機会に恵まれないこともあったがそれを乗り越え、実績を積み上げてきた実力者である。今現在26歳と年齢的にも中堅となり、脂ののってきた彼が今後どのような活躍をみせてくれるか非常に楽しみである。