【動画付き】MFエドソン・アルバレス プレースタイルと人物像【ウェストハム/メキシコ】

メキシコの若きミッドフィルダーとしてその名を馳せているのがフリアン・アルバレス。中盤の底で抜群の安定感を誇り、メキシコ代表としてもワールドカップを経験するなど経験値も十分である。特に守備面での貢献は計り知れず、ディフェンスラインの前で相手の侵入を防ぐことには絶対の自信を持つ。2023年の夏にはプレミアリーグのウェストハムへと移籍し、注目度も高まっている選手の一人である。そんなアルバレスのプレースタイルやキャリアについて紹介する。

アルバレスの基本プロフィール

生年月日1997年10月24日
国籍メキシコ
所属クラブウェストハム
ポジションDMF・CB
身長186cm
利き足
経歴クラブ・アメリカ→アヤックス・アムステルダム→ウェストハム

アルバレスのプレースタイル

アルバレスのプレーエリア【引用:SofaScore

中盤の底でタクトを振るい、守備面では鋭いプレッシャーでボールを奪えば、攻撃面では攻めの起点にもなることができる。さらには豊富な運動量で中盤を支配する守備的ミッドフィルダー。アヤックスでは4-1-2-3の1の部分(アンカー)や4-2-3-1の2ボランチの一角を担っている。

長所は相手からボールを奪いきる守備である。相手の選手の後ろから圧をかけることや、ドリブルやスプリントしている相手をスライディングで止めることも多々ある。更に具体的な長所は、ネガティブトランジション時のファーストディフェンスの速さである。味方がボールを奪われてすぐ、ボールホルダーに対して最短距離でプレスをかける。その結果、相手は瞬間的な認知や判断を行うことができずアルバレスにボールを奪われてしまうか、パスやトラップのミスにつながってしまう。このようにアルバレスは相手に閉塞感や窮屈な感覚を押し付けることができるのだ。

一方、攻撃面はまだまだ課題があるといえる。具体的には、ボールを奪った後どのように味方の攻撃につなげるかといったパスの配給の部分である。映像を分析すると、相手のプレスの矢印が向いている味方にパスを出してしまったり、縦パスをうまくつけることができなかったりする場面が見受けられた。このような課題を克服することができればさらに飛躍することができるであろう。

https://www.off-the-ball.jp/antony/

アルバレスのスーパープレー

2021-22シーズンのアルバレスのスーパープレー

第32節のAZ戦では、コーナーキックからヘディングで合わせ貴重な同点ゴールを奪った。アヤックスはセンターバックの身長が低い選手も多いため、このようにセットプレーのターゲットとしてもアルバレスは重要な役割を担っている。

第34節のフィテッセ戦でも同様にコーナーキックからのヘディングでネットを揺らしている。

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アルバレスのキャリア

2014年、16歳の若さでメキシコリーグのクラブ・アメリカのユースチームに入団した。翌年にはセカンドチームに昇格し経験を積むことになった。2016年にはトップチームに昇格し、同年10月29日のサントス・ラグナ戦でトップチームデビュー。同年12月25日のUANLティグレス戦で初ゴールを決めた。その後クラブ・アメリカでレギュラーに定着し、2016年から2019年まで計113試合に出場し5ゴールを決めた。その後、クラブ・アメリカでの活躍が評価されアヤックスが獲得オファーを提示。2019年7月20日にアヤックスに完全移籍で加入。5年契約を結んだ。アヤックス加入序盤は出番に恵まれず移籍も検討したが、そのレギュラーを奪取。チェルシーなどのビッグクラブが獲得に関心を持っていることが度々報道されているが、主力が大量流出している中アヤックスの中盤の顔として絶対的な地位を確立している。

代表の活動としては、2017年にフレンドリーマッチのアイスランド戦で代表デビューを果たした。2018年に行われたUEFAワールドカップ、ロシア大会では全試合に出場。更にはカタールワールドカップの予選にも10試合に出場。メキシコ代表のワールドカップ進出に大きく貢献した。2022年12月から行われるカタール大会でもメキシコ代表の中盤の底として活躍が期待される。

2023年8月10日にプレミアリーグのウェストハムへと移籍した。アーセナルへと移籍したイングランド代表MFデクラン・ライスの穴埋めとしての期待がかかっている。

https://www.off-the-ball.jp/ryan_gravenberch/

アルバレスのエピソード

以前、フランスリーグのスタッド・レンヌがアルバレスに移籍のオファーを出していた。その際、スタッド・レンヌ側はメキシコのハリウッド女優であるサルマ・ハエックさんを交渉の場に連れてきたそうだ。実はハエックさんはスタッド・レンヌのオーナーのフランソワ・アンリ・ピノー氏の妻であり、アルバレスの獲得に一役買ったものの、結局アルバレスを獲得することはできなかった。

アルバレスはこのエピソードをこのように語っている。

「有名な同じメキシコの女優として彼女は僕に電話をして、フランスに来るように言ったんだ。もちろん驚いたし、喜ばしいことであった。しかしアヤックスを選ぶことは自分にとって明白であり、そのことを彼女に説明したんだ。彼女は世界でも有名なハリウッド女優で大スターである。僕は彼女のことを誇りに思っている。」

https://www.off-the-ball.jp/ten_hag-manchester_united/

アルバレスのまとめ

クラブでも代表でも絶対的な主力としてチームを中盤の底から支えているアルバレス。ボールを奪いきる守備や切り替えの早さで相手から自由を奪う能力はビッグクラブでも通用するものを持っている。課題の配給面がさらにレベルアップすれば、いよいよ世界でも指折りのミッドフィルダーになるに違いない。

将来有望なアルバレスのキャリアに今後も目が離せない。

O.Shusuke

高校の頃、Jリーグのボールボーイを務めた経験もある。 好きなチームはバルセロナ、アストン・ヴィラ、アヤックス、ライプツィヒ。様々なリーグを見ていることから幅広い知識を持ち、若手の選手やこれからの活躍を期待される選手、まだ世界的に名の知れていない選手の解説が得意である。