東京オリンピックで金メダルを獲得したブラジル代表メンバーの一人であるMFドウグラス・ルイス。アストン・ビラの中心的存在で、ビッククラブへの移籍も噂されていたが、契約更新をしてクラブ残留を決断。今回は、そんな次世代のセレソンを担うドウグラス・ルイスについて本記事で紹介していく。
ドウグラス・ルイスの基本プロフィール
生年月日 | 1998年5月9日 |
国籍 | ブラジル |
所属クラブ | アストン・ビラFC |
ポジション | MF |
身長 | 178cm |
利き足 | 右足 |
経歴 | CRヴァスコ・ダ・ガマ→マンチェスター・シティFC→ジローナFC (loan)→アストン・ビラFC |
ドウグラス・ルイスのプレースタイル
守備的ミッドフィルダーで起用されるドウグラス・ルイス。以前まではピッチの中盤でプレーし、最前線には影響力を持たない役割を担っていたが、最近ではロングパスやパス回しの受け手として攻撃のサポートにも関与するようになり、得点力もお向上。3列目からゴール前に顔を出すボックス・トゥ・ボックス型へと進化を遂げている最中にある。
攻撃面では逆サイドのスペースを見つけてチャンスのトリガーとなったり、自分でも足元の技術を生かして前進させたりすることができる。またボックス外からのシュートも脅威であり、守備型MFだからといってゴール前でのマークを疎かにすると、PA外で待ち構えていた彼によってノーチャンスのミドルシュートが放たれることとなる。
一方、本職の守備でももちろん活躍する。フィジカルそのものはそこまで強くはないが、彼が持つ上手い体の使い方と技術、また予測力によって相手のボールへチャレンジすることで、中盤の砦となっている。
また、攻守の切り替えにおいても、相手ボールにチャレンジする際に周囲をしっかり確認して、ボール奪取に成功した際のカウンター攻撃まで彼の脳内で描き出されている。
スタミナにも定評のあるドウグラス・ルイスは、攻守に渡ってチームの心臓として90分戦うことのできる、替えの効かない選手の一人だ。
ドウグラス・ルイスのスーパープレー
2019-20シーズン第2節、ボーンマス戦で見せたミドルシュートを紹介する。
この試合がプレミア先発デビューとなったドウグラス・ルイスは、0-2のビハインドで迎えた71分にゴール。結局試合はそのまま敗戦となったが、自身の魅力をアピールしてみせた。
ポジション的にも攻撃時はPA外でプレーする事が多いが、常に虎視眈々とゴールを狙っている。
ドウグラス・ルイスのキャリア
2016年8月、ブラジル2部のヴァスコ・ダ・ガマで17歳ながらデビューするとコンスタントに出場を重ね、チームの1部昇格メンバーとなる。2017年夏にその才能を見出したマンチェスター・シティが獲得。労働許可の問題もありラ・リーガのジローナFCへ2年間レンタル移籍して経験を積む。
2019年夏にブラジルU23代表主力としてトゥーロン国際大会に出場。決勝ではPK戦の末日本代表を破り優勝を果たした。これらの活躍から昇格組のアストン・ビラが目をつけ、完全移籍で獲得。無事に労働許可も降り、ついにプレミアリーグの舞台へ足を踏み入れた。
2019-20シーズンは開幕から出場し、第2節には初得点も記録した。2019年11月にはブラジルA代表でも初出場を果たした。チームも17位でプレミア残留に成功し、新たなエースとして認められるようになった。
その後2021年夏には東京オリンピックで金メダルを獲得した。またコパ・アメリカにも計64分の出場であったもののブラジル代表として招集されていた。
プレミアリーグでみせる存在感から、ビッククラブの視線が強くなっていたドウグラス・ルイスだったが、アーセナル等への移籍の噂が飛び交っていた2022年10月、アストン・ビラと「長期間」の契約更新で合意。プレミア初挑戦のクラブと更に道を共にする決断をしたようだ。
ドウグラス・ルイスのエピソード
14歳で受けたヴァスコ・ダ・ガマの入団テストから、ドウグラス・ルイスはチームで一目置かれる存在であった。入団直後からユースチームのメンバーになり、U17ではキャプテンとしてクラブを15年ぶりの優勝に導いた。ユースでの激しいポジション争いや右SBへのコンバートにも熱意を絶やさず、与えられたチャンスを狙い続けた彼は、ある時負傷者の数合わせとしてユースからトップチームに招集されることとなる。そこでの練習で彼に目をつけたのが、元鹿島アントラーズのジョルジーニョ監督だった。マルセロ・マットス(FC東京、大分でプレー)の怪我も重なり、正式にトップへの昇格が決定。そして1ヶ月後、プロ初出場を果たすこととなる。
ドウグラス・ルイスのまとめ
プレミアリーグでも注目のボランチとして評価を高めているドウグラス・ルイス。 アストン・ビラとの長期契約を結んだものの、活躍によってはビッグクラブが大金を用意して獲得に乗り出す可能性も充分にある。今後もこのブラジル人MFから目が離せない。