今夏の移籍市場終盤にフランス王者パリ・サンジェルマン(PSG)への移籍が発表されたスペイン代表MFカルロス・ソレール。地元のクラブであるバレンシアでプロデビューし、実績を積み上げ、今回キャリア初の移籍を果たした。そんなソレールのプレースタイルやキャリアを本記事で紹介していく。
生年月日 | 1997年1月2日 |
国籍 | スペイン |
所属クラブ | パリ・サンジェルマンFC |
ポジション | MF |
身長 | 180cm |
利き足 | 右足 |
経歴 | バレンシアB→バレンシア→パリ・サンジェルマンFC |
バレンシアではセントラルミッドフィルダー、左右のサイドハーフ、インサイドハーフといった様々なポジションでプレーしてきており、中盤において様々な位置でプレーすることができる万能型MFといえる。
元々下部組織でFWでのプレー経験があることから足元の技術が高く、攻撃時の躍動が素晴らしい選手である。サイドでプレーする時には、味方とのコンビネーションで崩したり、ドリブルで1枚相手をはがして様々な高精度なクロスをおくることができる。中央でプレーする時には配給役として正確なパスを供給することができるだけでなく、周りの味方をうまく活かすような非常にクレバーなプレーが目立つ。さらに2列目から飛び出しからや距離のあるところからのシュートでゴールを狙うこともできる。
また豊富な運動量を兼ね備えており、ボールを奪われてもすぐに自陣に戻るなどハードワークを厭わない選手である。守備の指標に関しても劣っていることはないため、守備時にも大きく貢献できることが分かる。
このように攻守において貢献できるソレールだが、バレンシア以外のクラブでプレーがないため環境が変わった時に自分の良さが出せるかどうかが今後の飛躍の鍵となる。
2020-21シーズン第34節バルセロナ戦(2-3)、2点を追う83分に敵陣でボールを味方が奪いパスを受けたソレールがボックス外からミドルシュートを放ち、ゴール左隅につきさした。彼のポジショニングの良さと攻撃力の高さを感じられるゴールとなった。
ソレールは1997年1月2日にスペインのバレンシアで生まれ、幼少期に近所のサッカースクールでサッカーを始めた。その後、2005年には地元の名門クラブであるバレンシアの下部組織に加入する。加入当初はFWとして活躍したものの、後にMFにコンバートされる。下部組織で順調に才能を伸ばしていったソレールは2014-15シーズンにバレンシアのBチームに昇格。そして2015-16シーズンにはBチームの主力として起用され、28試合に出場し2ゴールと結果を残す。
前年度のBチームにおける活躍が評価され、2016-17シーズンにトップチームへ昇格してレアル・ソシエダ戦でラ・リーガデビューを果たす。シーズン序盤は途中出場が多かったものの、終盤ではレギュラーの座を奪いリーグ戦では23試合に出場し3ゴール1アシストを記録し充実した1年となった。
そして2017-18シーズンには右のサイドハーフをメインに37試合に出場し、チームを引っ張っていく存在へと成長する。2018-19シーズンには公式戦通算100試合出場を達成する。この時ソレールは22歳2カ月でバレンシア史上9番目に若い年齢での達成となった。さらにこのシーズンのコパ・デル・レイ(スペインの国内カップ)のバルセロナFCとの決勝戦で1アシストをマークし、チームの優勝に貢献した。
このように才能溢れるソレールは各年代にてスペイン代表として選出されており、2019年には世代別EUROの制覇、2021年の東京オリンピックではチームの準優勝に貢献した。
地元バレンシアで10番を背負いチームの看板とも言えたソレールだったが、なかなかバレンシアとの契約延長の交渉がまとまらず、2022年9月1日、PSGへの移籍が発表された。
2022年9月1日に移籍金約29億円でバレンシアからPSGへの移籍が発表された。ソレールはバレンシアの下部組織で育ち、これまでレンタル移籍等でチームを離れることがなかったため今回の移籍が初めての移籍となる。そのこともあってPSGのメディアのインタビューで今回の移籍について新たなる冒険であると答えている。一方で人生の大半を過ごしたバレンシアからは下部組織時代からの仲間であるガヤやラトをはじめとするチームメイトからメッセージが送られており、非常にソレールが愛されていたことが分かる。
プライベートでは幼少期にかつてバレンシアでプレーしていた元スペイン代表MFダビド・シルバと写真を取っており、昨シーズン対戦した際にはユニホーム交換を行い、その喜びをInstagramに綴っている。
生まれ育ったバレンシアで結果を残し、タイトルを獲得することで自身の価値を高めていったカルロス・ソレール。才能あふれるスペイン人MFが選んだ新天地PSGはポルトガル代表MFヴィティーニャをはじめとするライバルが多く加入しており厳しい競争が予想されるが、彼の正確なクロスや献身的な守備などを武器にレギュラーの座を獲得できるかどうか今後見守っていきたい。また、PSGでの活躍次第では、カタールW杯のスペイン代表メンバーにも選出され、日本代表に立ちはだかる存在となるかもしれない。