【動画付き】MFトニ・クロース プレースタイルと人物像【レアル/ドイツ】

レアル・マドリードのトニ・クロース
【引用:クロース公式Twitter】

メトロノームとも評される正確無比なパスメイクでポセッションを展開していくドイツ代表MFトニ・クロースはレアル・マドリードの中心選手として銀河系軍団を支えている選手の1人である。「クロースロール」とも呼ばれるポゼッション理論も生み出した「パスマシン」クロースのプレースタイルやスーパープレー、キャリア等をこの記事では紹介していく。

目次

クロースの基本プロフィール

生年月日1990年1月6日
国籍ドイツ
所属クラブレアル・マドリード
ポジションMF
身長183cm
利き足右足
経歴FCバイエルン・ミュンヘン→バイエル・レバークーゼン(loan)→レアル・マドリード

クロースのプレースタイル

クロースのプレーエリア【引用:SofaScore

メインポジションはインサイドハーフ。レアルでは2018年のバロンドーラー、クロアチア代表MFルカ・モドリッチと長年コンビを組み、息の合った魅力的なプレーを披露している。

クロースの1番の強みはなんと言ってもメトロノームとも評される正確無比なパスだ。フィールドの状況を常に把握し、その状況に最適な選択肢から高次元のパスを供給する。ショート・ミドル・ロング、どのパスをとっても精度は一級品だが、特にロングパスの精度で他者を圧倒する。試合では常に高い数値のパス成功率を誇り、2016年1月3日ラ・リーガ第18節バレンシアCF戦では、全80本のパスに対してパス成功率は脅威の100%を叩き出した。毎試合90%以上のパス成功率を誇るクロースはまるで精密機械である。「クロースロール」とも呼ばれる、味方のCBとSBの間に降りていき、味方SBには高いポジションを取らせ、自身は低い位置からパスを展開していくポゼッションスタイルは、クロースの視野の広さとパスの正確性を発揮するためのものであると言える。

また、ミドルシュートもクロースの特徴の1つだ。ペナルティエリア外の空いたスペースへ入っていき、味方のグラウンダーパスを丁寧にインサイドキックでゴールの隅へ、まるでパスをするかのように決めるミドルシュートは何度も見た光景である。強烈なキック力も持ち合わせ、相手GKもボールに触れることができない強力な無回転ミドルを叩き込むこともある。

弱点を挙げるとするとそれは守備の軽さであろう。レアルは4-3-3システムを基本としており、中盤エリアは3枚で守備をする。クロースは強靭なフィジカルやスプリント力でボール奪取を出来る選手ではないため、他のMFでそれをカバーしなくてはならない。だからこそ、レアルにはそのスペシャリストであるブラジル代表MFカゼミーロがいるのだ。

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クロースのスーパープレー

クロースの1番の武器である正確なパスによってレアルの攻撃は展開される。2020年11月26日、UEFAチャンピオンズリーグのインテル戦でのクロースのロング・ミドルパス集。まるでフィールドの全てが見えているかの如くパスを配給していく姿はやはり精密機械だと言っていい。

ドイツ代表として出場した試合で魅せた、クロースのもう一つの強力な武器であるミドルシュート集。まるでゴールにパスをするかのようなインサイドキックや、強烈なミドルシュート。若き頃は、現在より1列前のオフェンシブなポジションでプレーしていたクロースは、攻撃力も魅力のひとつだ。

https://twitter.com/EURO2024/status/1346048981642706944

【引用:EURO公式Twitter】

クロースのキャリア

ドイツ北部のグライフスヴァルトで生まれたクロースは、父が指導をしていた地元のユースチームのグライフスヴァルダーでサッカーを始め、父の転勤を機にロストックへ移籍。メキメキと頭角を現したクロースには多くのクラブからの勧誘があり、バイエルン・ミュンヘンのユースへ移籍することなった。2007年9月26日のエネルギー・コットブス戦で途中出場にてブンデスリーガデビューを果たし、18分間の出場で2アシストと輝かしいデビューとなった。だが、バイエルンのレギュラーを掴むまでには至らず、2009年1月にレバークーゼンにレンタル移籍。2009-10シーズンは元ドイツ代表FWシュテファン・キースリンクと共に多くのゴールを奪い、前半戦首位の原動力となり、自身はそのシーズンのブンデスリーガベストイレブンに選出された。バイエルン復帰後は中心選手として活躍し、2012-13シーズンには史上最速記録となった28節終了時点でのリーグ優勝にも貢献した。

2014年7月17日にレアル・マドリードへ移籍。レアルでの公式戦初出場となったUEFAスーパーカップのセビージャFC戦では、両チーム最高となる96%のパス成功率をマークし、すぐにレアルにフィット。その後常に中盤の中心選手として出場し、ラ・リーガ2回、UEFAチャンピオンズリーグ3回、FIFAクラブワールドカップ4回等、多くのタイトルの獲得に貢献している。

ドイツ代表には2010年3月3日のアルゼンチンとの親善試合にてA代表デビュー。2014年のワールドカップブラジル大会には決勝戦含む7試合の全試合に出場。「ミネイロンの惨劇」とも呼ばれる準決勝のブラジル戦ではマン・オブ・ザ・マッチに選ばれた。また、同大会のベストイレブンにも選ばれた。2020年10月13日のUEFAネーションズリーグ第4節スイス戦にて代表通算100試合出場を達成。2021年7月2日には自身のSNSで代表引退を表明した。

クロースのエピソード

2017年1月1日に自身のTwitterにて新年を祝う年賀Tweetを画像で投稿。その画像の「2017」と書かれるべき場所の「1」がブラジル国旗、「7」がドイツ国旗となっており、これが「ミネイロンの惨劇」の2014年のFIFAワールドカップ準決勝ブラジル対ドイツの点差である1-7を表しており、ブラジルを挑発する内容だとして問題視された。レアルのチームメイトであるブラジル代表DFマルセロはこれに対して「皆さん、新年おめでとう。最高の健康と、常に他者への敬意を!」と反応。また、フェノメノ(怪物)と称された元ブラジル代表FWロナウドは自身のFaceBookで「2017」の「2」をブラジル国旗、「0」をドイツ国旗で表し、2002年に日韓ワールドカップ決勝でブラジルがドイツに2-0で勝利した際の、大五郎ヘアーでも有名となった自身の写真と共に投稿し反撃した。これに対しクロースは「ちょっとしたジョークで大きな興味を集めちゃったね。新年、皆さんの安全と幸せを祈るよ」と火消しメッセージを投稿した。クロースのお騒がせな面が見られた一件であった。

クロースのまとめ

フィールドの状況全てを把握し、その状況でベストな選択肢から高次元なロングパスを供給し、毎シーズン90%以上のパス成功率を叩き出すクロースはまるで精密機械である。長年レアルの中盤をモドリッチ、カゼミーロと共に支配し、前線のスター選手を輝かせるクロースは無くてはならない存在として、今後も新銀河系軍団の中心として君臨するだろう。だが、不注意なSNS投稿での炎上には気をつけて欲しいものだ。

レアル・マドリードのトニ・クロース

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この記事を書いたライター

ユルゲン・クロップ監督率いる当時のドルトムントがきっかけでサッカー好きに。
試合をシステムの観点から分析するのを得意としている。
好きなサッカー選手は、チアゴ・アルカンタラ。
趣味はゴルフ・釣り・サウナ・野球観戦と多彩。

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