日本代表はカタールW杯のグループEで、優勝経験国のドイツ、スペインに挑む。両チームともにワールドクラスが顔を揃える中、サッカー専門YouTubeチャンネルでMCを務め、データ企業を経営する戦術分析家のノーミルク佐藤氏が、ドイツとスペインの注目選手をそれぞれ挙げている。
ドイツ代表の注目選手はキミッヒ
日本がグループの初戦で迎えるドイツからは、バイエルン・ミュンヘンMFヨシュア・キミッヒを指名している。
ドイツの注目選手は、やはりキミッヒ。ドイツは前線の選手が入れ替わり立ち代わりする戦術を取り入れていて、ウインガーがセンターFWになったり、センターFWがウイングに流れたりと、様々な形でスイッチすることが多い中、長短織り交ぜたパスや、時間と空間を生み出す役割を務めているのがキミッヒと言える。流動的な前線を含めてチーム全体をトータルコーディネートするキミッヒの存在は、日本にとって脅威となるでしょうね。
フリックとナーゲルスマンで異なるキミッヒの起用法
ドイツはUEFAネーションズリーグを含め、アタッカー陣はローテーションを取り入れる起用法となっているが、キミッヒとギュンドアンに関してはほぼ先発で固定されており、今大会のドイツにおいて最も欠かせない存在であることが窺える。
一方、元バイエルン指揮官であり、現在はドイツ代表を率いているハンジ・フリック監督と、現在バイエルンを指揮しているユリアン・ナーゲルスマン監督における、キミッヒの起用法の違いについても触れている。
フリックとナーゲルスマンでは、キミッヒの起用法が少し異なる。フリックは、キミッヒの横パスで相手をずらしていくといった狙いがある。一方、ナーゲルスマンは横パスを制限している節があって、縦パスを軸にしている。キミッヒは、どちらでも対応できるマルチ能力に長けているが、どちらにせよフリックはバイエルン時代も代表でも、長きに渡ってキミッヒと共闘しているので、彼を最大限に活かす土台は整っている。
スペイン代表の注目選手 1人目はパウ・トーレス
日本がグループの最終戦で迎えるスペインからは、2人の選手をチョイスした。1人目に、ビジャレアルDFパウ・トーレスの名前を挙げている。
これはあえて記事に書いてほしいのだけれど、城福さんと小倉さんが中盤選手を挙げちゃうものだから、僕は中盤選手を挙げにくくなっちゃったじゃん!という(笑)なので、僕は2人挙げさせてください。1人目は、パウ・トーレス。スペインは左サイドでも右サイドでもトライアングルを形成して、それを接着剤のように繋ぐ役割をアンカーが担っている。だから、キーマンになるのは絶対にアンカー。だけれど、そのアンカーを支えているのがCBの2人で、よりビルドアップやゲームメイクに優れたパウ・トーレスが重要な存在だなと。
スペイン代表の注目選手 2人目はアセンシオ
2人目に挙げたのは、レアル・マドリードFWマルコ・アセンシオだ。ノーミルク佐藤氏は選出の理由として、東京五輪の準決勝で日本がスペインと対戦した際、0-0で迎えた延長後半10分に奪われた劇的決勝弾を振り返っている。
もう1人に関しては、注目選手というよりは、あくまで日本代表にとって、ということになるけれど、アセンシオを指名させてもらいたい。だって、忘れられないもの、五輪が。これはあくまで個人的な意見だけれど、生涯で最も悔しい失点が、あのアセンシオの一撃。日本サッカーが積み上がっていくためには、アセンシオを乗り越えないと、という気持ちがある。板倉選手なんかは特にそう感じているだろうけれど、東京五輪世代にとってのリベンジターゲットとして、ここで名前を挙げさせてほしい!
ドイツ代表&スペイン代表の注目選手のまとめ
日本はグループリーグ初戦でドイツ、最終戦でスペインとの対戦を控えている中、ノーミルク佐藤氏はドイツの注目選手にキミッヒ、スペインの注目選手にパウ・トーレスとアセンシオを挙げた。日本にとってはW杯優勝経験を持つドイツとスペインを相手に厳しい戦いが待ち受けているが、両国のキープレーヤーをいかに存在感を発揮させないかが大きな鍵を握るのは間違いないだろう。
ノーミルク佐藤のプロフィール
株式会社Lifepicture代表取締役、YouTubeCH「ミルアカ」MC『ノーミルク佐藤』。
複数webメディアの運営や企業の経営改善、マーケティング、プロモーション、教育事業を行う傍ら、自社でサッカーのデータラボを立ち上げ、独自にデータの収集・分析・開発を行う。
ABEMA「ゼルつく」の専属データマンとしての出演、ABEMA「FIFAワールドカップ2022抽選会生中継〜最速予想&分析SP〜」などの出演、GOAL主催Jリーグ版NXGN2021選考委員等も務める。